【光本氏解説】スタートアップ企業とベンチャー企業の違いとは?

コラム

「スタートアップとベンチャーの違いを知りたい」
「スタートアップ企業で働くメリットって何?」
「光本勇介氏の経歴について知りたい」

近年、IT業界を中心にスタートアップ企業が増加していますが、どのような企業なのかを知らないという方も少なくないでしょう。
また、スタートアップ企業はベンチャー企業と混同されがちですが、これらはビジネスモデルなどに違いがあります。

光本勇介さんが考えるスタートアップとは

そもそも、スタートアップという言葉は、IT企業が多く集まるアメリカのシリコンバレーで使われ始めた言葉で、先進的な技術やアイデアを基に新たなビジネスモデルの創出を目指す、市場を開拓する成長段階にある企業やプロジェクトのことを指します。
一般的には、創業から2~3年程度の企業を指すことが多いのですが、これまでに市場には存在しなかった新しいビジネスを生み出すことで、短期間での急速な成長を目指しているという特徴があります。
この新しいビジネスは単に新規性があるだけでなく、既存の社会価値にプラスアルファをもたらして人々の役に立つものであるケースがほとんどです。
つまり、イノベーションを生み出して社会貢献を目指していることがスタートアップの条件で、既存のサービスの延長線上にあるようなビジネスでは創業から間もない企業でもスタートアップとは呼ばれません。

光本勇介 現在

ベンチャー企業とは

一方のベンチャー企業とは、独自のアイデアや技術を基に新しいサービスやビジネスを展開する企業を指します。
英語でVentureと言う場合、Venture Capital(投資を行う側の企業)のことを指すのが一般的ですが、日本におけるベンチャー企業はベンチャービジネスから派生した和製英語となっています。
また、ベンチャー企業は早期段階の黒字化を重要視しており、レバレッジが小さいビジネスで堅実かつ長期的に成長を目指していくのが特徴です。
日本においては、スタートアップ企業とベンチャー企業が創業間もない企業として一括りにされがちですが、これら2種類の企業はビジネスモデルに大きな違いがあります。
前者は世の中にはない新たなビジネスモデルを創出し、社会にイノベーションを起こす企業であるのに対し、後者は既存のビジネスモデルをベースに収益を上げていくことを目指す企業です。

目標達成への道筋にも違いがある

また、目標達成への道筋にも違いがあります。
前者は短期間での目標達成を重要視しているのが特徴で、設立時にゴールを明確に設定しているケースがほとんどです。
そして、目標を達成したら企業を売却するケースも少なくありません。
これに対し、後者は比較的安定した収益を狙い、中長期的なスパンで目標を達成することに重きを置いています。
現在、日本国内ではスタートアップ・ベンチャーともに市場が急成長していますが、特にスタートアップのIPO(新規上場株式)市場が活発化しています。
コロナ禍の状況をもろともせず、ベンチャーキャピタル(VC)の出資増加やユニコーン企業の台頭などを背景に、スタートアップ企業の資金調達は総社・総額ともに増加し続けており、一度に数十億円規模の資金調達が行われるケースも少なくありません。

スタートアップ企業で働くメリット

また、市場の活発化に伴ってスタートアップ企業で働きたいという方も増えていますが、スタートアップに就職・転職した場合、企業の成長過程を体感できる・経営者視点で仕事に取り組める・個人の裁量が大きく幅広い業務に携われる・独立や起業の際に役立つ経験ができるといったメリットを得ることが可能です。
成長速度が速いスタートアップでは、目標達成のために一人ひとりの従業員が経営に大きくかかわることになるので、経営者視点で仕事に取り組めるとともに、将来的に独立や起業をする際に必要な経験やスキルを養うことができます。
一方でスタートアップは、経営の安定性が乏しい・給与や待遇の面が悪い傾向がある・ハードワークになりがちといったデメリットがあります。

経営が安定しにくいのがスタートアップで働く最大のデメリット

スタートアップ企業が掲げる目標は、必ずしも達成できるとは限りません。
経営が安定しにくいのがスタートアップで働く最大のデメリットで、給与面や待遇面も高い水準を期待することはできないでしょう。
特に大企業から転職した場合は、福利厚生などの待遇面でのギャップに戸惑うことになるかもしれません。
加えて、基本的に少人数の従業員で構成されているケースがほとんどなので、一人ひとりに課される業務量が多く、ハードワークになりやすい傾向もあります。
特に創業から間もない企業ほど給与面や待遇面の水準が低く、業務量が多くなる傾向があるので注意が必要です。

まとめ

このようにスタートアップで働くことにはメリットとデメリットの両方がありますが、仕事に対して変化や刺激を求める方、積極的かつ自主的に仕事に取り組める方、新しい物事に柔軟に対応できる方、将来的な独立や起業を目指している方は、スタートアップに向いていると言えます。
このような方は、就職や転職を考える際はデメリットやリスクについても十分に理解して上で、興味がある企業の将来性・成長性・経営状況などの情報を徹底的に収集して、リスクを抑えつつ自分が興味を持った企業への就職や転職を目指してみてはいかがでしょうか。